2014/06/11

Joyride into space

うちは交差点の角だからけっこう騒がしい。単純に交通量が多いし、工場を出入りする大型トラックや救急車両、暴走族もなぜかうちの前の道を好んでよく通る。暴走族と言えば僕の地元である大阪ではかなり野蛮な存在だった。本当に暴走してるし、人数もハンパ無く多い。凶器を携えているバイクも多かったから、深夜は道を選んだものだった。まあ、それを追いかける警察もどっちが?と思わせるぐらいガラが悪かったけど。こっちの彼らは少人数で比較的おとなしい。それが良いのか悪いのか、信号では律儀に止まっている(これには一番驚いた)。でもバイクは吹かすからうちはもろに響く。いい歳の知り合いは生タマゴ投げてやった。なんて言ってたけどそれもちょっと違う。そこで、ここはひとつ発想の転換を図ることにする。そう彼らは違う民族なのだ。「ボウソウ族」という民族。そう考えると文化や生態を理解しようと思い始める。見た目は僕らと変わらない。特徴が出てくるのは思春期頃からだ。彼らは14〜15歳くらいになると成人の儀の準備を始める。赤や紫を好むようになり、夜行性になる、緊張をほぐすために喫煙し始める者も多い。成人の儀とは自分の思いの丈をしたためたカラフルな民族衣裳を身に付け、一人前の男、いや“漢”として認められるために、誰が一番大きな音を立てることが出来るかを競うのだ。昼間に単独で訓練に励む者もたまに見かけるし、中には自転車をそれっぽく改造している熱心なやつもいる。やはりそれほどの名誉なのだろう。民族によっては速さを競うものもいるらしい。乗り物の前後は鹿の角のように長ければ長いほど立派で、被り物は無いほうがより男らしいようだ。争いをしている時は興奮状態にあるからむやみに手を出してはいけません。しかし近代化の波とともにその数を減らしているらしい。さらに多民族国家となったため、社会と共存をするために法律は守らなくてはいけない。ということで日々我が家の横の信号では止まっている。どうやらそういうことらしい。なるほどこう考えるとなんとなく許せる気がする。そうか?